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モノが買えない時代の「サプライチェーン優先経営」

“買えない時代”の「サプライチェーン優先経営」とは? 国内外の先進企業から学ぶ、全社一体の構造改革

【第1回】

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 2021年の年初来、半導体をはじめ、あらゆる資材、原材料において供給力不足や市況の高騰といった状況が続いている。米中貿易摩擦や新型コロナウイルス感染症のまん延、ロシア・ウクライナ問題など、さまざまな要因が絡み合っており、企業はこの状況を一過性の出来事と捉えるのではなく、経営課題として対応をしていかなければならない。本連載では、モノが買えない時代に、企業は具体的にどのような対策を進めていくべきか、全4回にわたり解説していく。

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“買えない時代”の到来

 2021年の某日、ある日用品メーカーの調達部長が、こう話していた。

 「時代が変わり、これまでの前提が通用しない『モノが買えない時代』になった。昨今の供給力不足の状況は、東日本大震災後より深刻かも知れない。あの時は、復旧を待つことで次第に良い状況に変わっていったが、今回は先行きの見通しが全く立たない」と。

 現在、「高すぎる」「運べない」に加えて、サプライヤ側に「売る気がない」という構造的な変化が起きており、供給力不足の問題が多くの企業の調達購買部門に重くのしかかっている。

調達環境の変化
[画像クリックで拡大表示]

 しかし、この構造変化はここ数年で始まったものではなく、これまでもサプライチェーン全体の構造改革に取り組むべき事業環境変化は起きていた。

事業環境変化により顕在化した経営課題と「調達優先経営」

 たとえば、約10年前にもサプライチェーンの分断による供給力不足問題が顕在化したことがある。2011年に起きた東日本大震災や、タイでの洪水などによるものだ。この当時から、筆者は「企業は調達機能を経営の根幹と捉え強化し、競合他社を突き放す取り組みとして、調達購買機能の改革を進めるべき」と提唱。こうした取り組みを「調達優先経営」という言葉で表した。

 この調達優先経営は、災害対策だけを目的としたものではない。事業環境変化に応じた経営変革を進める上で、調達を重要な機能の1つとして捉え、取り組むものである。

 では、事業環境の変化による経営課題として、どのような事象があるだろうか。ここ10年の様子を見てみると、主に以下の3つが挙げられる。

 1つ目は、技術や製品、サービスを含む「提供価値の複雑化」である。たとえば自動車は、機械の塊からソフトウェアなど電子技術の塊となり、モビリティという運送手段を提供するサービスへと変化してきている。このような技術革新やサービスによる価値提供へのシフトは、自社だけですべての技術を囲い込む垂直統合型の事業モデルに限界をもたらし、必然的に社外のリソースを活用することの重要性を高めた。

 2つ目の課題は、「グローバル競争の激化」だ。以前の国内メーカーは日本や欧米を主戦場としていたが、今では中国、インド、東南アジアなどの新興国へと市場が拡大した。このような競争環境下では、サプライチェーン全体において競争力を高めなければならない。

 3つ目の課題は、「サプライチェーン分断リスクの顕在化」である。自然災害や紛争などの事案が続出しており、その度にサプライチェーン全体における企業のBCP(事業継続計画)対応が求められている。

 これらの事業環境変化に対し、先進企業は早期から調達機能の重要性に着目し、経営の高度化を推し進めてきた。その事例を紹介する。

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この記事の著者

野町 直弘(ノマチ ナオヒロ)

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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